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クモマベニヒカゲ

2020年8月13日 雨の中、八峰キレット小屋から鹿島槍ヶ岳へ登った。クサリやハシゴが連続し、切れ落ちた崖もある危険な場所であったが、小屋から1時間半程度で鹿島槍ヶ岳北峰に着いた。冷池山荘に到着してから思ったが、つくづく下りにしなくてよかったと思った。20kg近いザックを背負いながらの雨の下りは、晴れよりもスリップ、転倒のリスクも増え、細心の注意力と判断力が求められる。疲れも溜まっている山行で実行できるか疑問であった。

昼前までのんびり山荘で過ごし、ランチに焼きたてのピザを頬張ると元気も出て来て、お花畑を撮影することにした。

テント場を越えるとすぐに百花繚乱のお花畑が広がっていた。前回訪れた時はコバイケイソウがたくさん咲いていたが、今年はハズレの年のようだ。

天気が少しずつ回復してくるとヒラヒラと舞うものがいた。ヒカゲチョウであることはすぐに分かり、果たして、クモマベニヒカゲであった。息を殺して近づくと翅を広げてくれ、静かに止まっていた。プロキャプチャーモードもないので、慎重に撮影しているとすぐに飛び去っていった。撮らせてくれてありがとうとお礼を述べ、踵を返し、山荘に向かった。明日はいよいよ最終日で種池山荘泊だ。どんな風景が見られるか期待に胸が膨らんだ。