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ミヤマシロチョウ

2019年8月14日 南アルプスの取材の帰りに林道を散策しているとシロチョウ類の飛翔が見えたので、直ぐに撮影しようと試みた。しかし、中々止まってくれない。普段は散策に心地よい林道だが、追いかけているうちに汗だくになる。林道に戻って来てくれたところで撮影できた1枚である。

「高山蝶 美しいナイン」の写真が増え、とても嬉しかった。

 

田淵行男先生が本州に棲む高山蝶の9種を美しいナインと呼んだ。響きがとても心地よく好きな言葉である。

年に2回ほど田淵行男記念館を訪ね、写真やチョウの描画を鑑賞する。私にとっては、田淵先生は、山岳写真の先達であり、心の支えでもある。

 

高校時代、顧問の先生たちが同じであったことから理科部兼ワンダーフォーゲル同好会に所属していた。時々、写真部にもお邪魔していたように思う。

チョウと山岳や星への関心が育まれたのはこのころであった。特にミドリシジミに関心が高く、オスの羽色にばかり気を取られていて先生からメスの4種類の羽色のことを教わり、身体に衝撃が走ったことを今でも鮮明に覚えている。その先生から田淵行男先生のことを教えられ、いつか会ってみたいと思っていた。1986年から1988年ころのことである。

 

平地では見ることができない本州の高山蝶に関心が高まったのもこの頃であった。クモマベニヒカゲ、ベニヒカゲ、タカネヒカゲ、ミヤマシロチョウも知った。35年近く前の記憶が蘇り、今頃になってまた同じようにチョウを追いかけている自分が不思議でならない。